むう。またも店の客とのトラブル発生。
先日ご立派なことを書いて通りすがりの名無しさんに褒められたりしたクセに、苦情を言われてムッと来てしまいました。

言い訳ですが、今回のことはちょっとややこしい話でして。

深夜組でシフトに入っているときに一番後輩の同僚の友人が客でやってきまして、作業しながら長々と会話していました。
他に客が一人入ってきても、そんな感じなのでこの時点で割とダメです。
しかも後から来た客が何らかの接客業だそうで(当人談)、ちょっと立ち読みしようかと思ったところこの状況。イラッと来てやめたとの事。
レジ担当したのが俺なのですが、ここで俺に対して苦情を呈示。
「客のいる前で店員が店員でもない他の客とおしゃべりしてて不快、あなたは彼より長くいて分かっているはずの先輩なんだから指摘して止めさせるべき」
要約するとこんなところでした。
ちなみに後輩に対して直接は何も言いませんでした。なんで?

ともかく今回の客は直接俺自身の態度や接し方ではなく、後輩への監督不行届きに苦情を寄越したわけです。
この客は当該時間帯に割と高い頻度で、長く来ているとの事でしたが、俺は覚えていませんでした。
…ご当人には「覚えている」と言ってしまいました。嘘ついてごめんなさい。
これといった特徴が無いと客の顔を覚えられない俺自身にちょっとげんなり。そしてどうにも対策の立てようが無いので尚更げんなり。
いやマジで。なんかいい方法あったら教えてください。

俺の記憶力の話はさておき、確かに実際これは問題です。結局その客が帰った後(散々言い合っておそらくかなり不快にさせておいて)、後輩に対しては今回みたいなのは自重しとけとは言っておきました。
ただこのことを何故先に言っておかないのか、何故おしゃべりを止めなかったのか、ということになると日記の表題のようなことが関わってきてしまうのです。

少なくとも俺自身がそれをきっかり守れているかというと甚だ疑問なのです。
友人知人が来たときに、間違いなく俺は二言三言会話をしています。なるべく小声で短く話してはいるつもりですが、果たしてそれが他の客からすれば不快の範囲なのかどうかまでは分かりません。人によってその範囲は全く異なるわけで、神経質な人ならちょっとでもイラつかれ兼ねません。
ちなみにこのシフト当時、俺の後ろでもう一人の店員(この店では俺のほうが先に居ましたが、店員歴は彼の方が上)が別の作業をしていて俺とその客の会話は聞こえていましたでしょうが、彼も友人が来て他の客が来ない暇な時間があると表に出て暇なだけ会話しているので、頻度・状況の違いはあれども俺と同じように身につまされるところがあるのでしょうか、後輩には指摘していませんでした。

そういう理由もあって、後輩があまり誉められない行動をしていてもそれがモロにダメでなければ、それは果たしてこんな自分が言って良いことなのだろうか、という考えに至ってしまい、なかなか口に出せないのです。
先輩だったらそういうことは気にせず指摘すべきとも言われそうですが、俺は先輩後輩どうこうは関係無いと思います。
守屋前事務次官がその最悪たる形ですな。
(ここで政治ネタを大文字で振るか俺)
先輩だろうが上司だろうが当人が守れてもいない事項を他人に守れと言うとか、それこそ「お前が言うな」の一言で片付けられるはずのことが通ってしまう人間的な不条理が、俺がこの社会の一番気に食わない、嫌いなところですね。
無論俺自身でそんなものを作り出したくなどありません。で、言えない、と。

常に自分の言動に対して疑いを持ち、自分は間違っているんじゃないか、自分が悪いのでは無いかという疑問を持ちながら、特に身近な人には気を遣っているのです。
ヘタレには違いありませんが、少なくとも見知った人をいきなり敵に回してしまうのは避けたいという思いがこういう状態を生んでいるのだと信じたいところです。

なお、「言い合いになった」のは最初の要約した言葉に対して俺がいつもの理屈ばった答え方をしてしまったために小一時間(本当は十分程)接客業のあり方について説教を喰らったからです。
身近な人には気を遣う一方、ロクに分かり合ってもいないような人に俺の嫌いな『社会通念的に正しい』ことを説かれても頭に来るだけでした。

この辺も少し詳しく記しておきますか。
「接客業である以上バイトでも何でも、客が店の状態について『こうしろ』と言ったことには「ハイ、分かりました、かしこまりました」と答えるべき」
勿論要約。なんか一部抜けてる気もしますが。
確かに、『社会通念的には』常識ですらありますね。
でもそれを言った相手はそんな社会を嫌悪し、何も考えずハイハイ言うことを拒否している俺です。
実際このような感じの流れの話になったときに、自分ができるかどうか分からない、むしろ自分がやっていいことじゃなさそうな事に対して本当に誠実に、間違いなくそれを果たすという意味でYESと言える人はどのくらいいるんでしょうか。
少なくとも俺は無責任にさらりと言うことは出来ません。
今回の場合、自分が後輩に物事を言える立場か分からないだけに尚更です。
難しく考えるなとか言われますが、誠実さを求めるならあっさり返事はできないでしょう。
そういうところも俺の要領の悪さに一役買ってますが…誠実さを捨てるのが要領良くやることなら俺は別に要領悪いままでいいです。それが問題だと社会が言うならそんな社会はクソ喰らえ。

そしてそれに関連した客の話は続きます。この辺りで俺はどうにも不快でした。
言われている内容が、どう聞いても上から目線でご高説といった感じなんですよ。
自分が同業種で出来ていることが出来てないお前は自分より下だと見たのでしょうか。
しかし、俺はこの客に対して自分に説教していいような程の人間性を感じてはいませんでした。
なぜならこの客の場合、最初の苦情自体が「この客本人の我慢の弱さ」から来ているものだからです。

俺が後輩に注意をしなかった理由のもう一つが、「そもそも会話していること自体さしたる問題だと思っていない、自分が客の立場だったら別に近くで店員と他の客が会話してようが気にならないし」ということです。
この辺りは店員としては大問題なので正直反省していますが、その客が『たかだか自分如きが我慢できる、スルーできる程度のことに文句を付ける』ような精神の持ち主で、それが説教を寄越すという事実にまでは怒りを抑えることは出来ませんでした。

この辺は先述した「お前が言うな」理論も絡まって、自分を低く見過ぎるということにおける最大の弊害を生んでいるようです。
自分の言動を常に省みて、他人は自分よりも基本的に上にいる、という底辺根性極まりない状態ではあるのですが、これはこれで大事な視点だと思います。これなら自分の周りは常にあやかりたい上位の存在と見ることができるようになりますし、上位なので他者への尊敬も生まれます。
それだけに逆に自分が嫌悪するような劣悪な言動があるとあっという間に評価が地に落ちます。ある程度見知った仲であれば多少のことなら他の要素や好感が影響してそうそう簡単には悪く思えないのですが(女装少年、女子校で男バレしても女の子との仲が崩れない理論とおんなじ…『処女(おとめ)はお姉さま(ボク)に恋してる』より)、元より知らない相手ですとあからさまに印象が悪化します。

その上説教の内容が俺の嫌いな社会論。おまけに最初は自分が言いたいことだけ言ってさっさといなくなろうとしていた為にさらに火種追加。
…ぶち切れない程度の怒りに収まったのが今考えたら不思議なぐらいです。俺も我慢強くなったものだ(この程度でか、つか怒るな)。

最初の問題に関しては『人は自分でも気にはしているけど普段は考えないようにしている欠点を他人に指摘されるとカチンと来る』というのを遠まわしにされたような経過でした。
空気を読む能力が発達している人の割合が多い日本だとなかなか起きにくい事象であり、それだけにその人の欠点も直らないまま放置されていることも多く、それに基づいた悲劇も数限りないもので、下手を打てば俺の周りで起こっていたかも知れないだけに前半のことは謙虚に受け止めようと思います。結局後輩に指摘しましたし。
そういう意味では今回の客には俺の成長に関して損な役回りをしてもらったと思います。
社会に毒されきっているとは言え、大切なことを教えてもらったことには違いありません。
後日また来られたりしたら(そして顔が一致したら)、謝るべきですね。

そしてその前に店長と経営者に怒られに行かなくてはね。トホホイ。

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