円卓生徒会、遂に結成!の第二巻登場です。
前巻ではエクスカリバーの力で飛んでしまった異世界を大冒険した亜砂くんたち一行でしたが、今回はこっちの世界で暮らし始めたラーンスロットと鞠が高校の生徒会長候補に選ばれてしまってひと騒動という展開がメインになっています。
以前からの本田氏ラノベの読者にはいきなり先制パンチが。なんと、アストロ!乙女塾!からあの伊達鏡子先輩が出張登場! …二巻以外でほとんど出番が無かったので、出したかったというような意図が見えるような見えんような。
前会長としての登場ということで…果たしてアスおとと同じ世界観なのかどうなのか、多分違う(笑)。
とは言えその後の展開を考えると、あながち繋がりが無くもないような…
ちなみに容姿もそのまんまなので、違う絵描きさんによるイラストを見比べてみるもよいでしょう。
しかしここまで来るともはや男塾の伊達先輩が元ネタという面影は槍以外どこにもありませんな。

…あう。ついここで読み直してしまって、生徒会室で会長職の立場を妄想してうへへになってしまっているラーンスロット…いかん可愛い。
亜砂くんにゾッコン過ぎて妄想を暴走させる彼女の明日はどっちだ。

今回の見所は、やはり初登場の小早川くん。伊達先輩直々に仕立て上げられた巨大な風紀委員会の委員長を務める彼は、彼自身はなんともはやへたれ眼鏡のマジメな生徒の模様。
この学校の選挙は少し制度が変わっておりまして、まずは全生徒が全生徒のうち誰かを対象に推薦票を入れ、上位に選ばれた数人に対して今度は部活や委員会をはじめとする組織のみが投票できる決勝選挙に臨むことになります。
困ったことに何故かその組織のサイズごとに票の大きさも違っていまして、前述のように巨大な委員会の長である小早川くんはかなり大きな影響を与える存在となっておりまして、もちろん当選を目論む鞠に狙われてしまうわけです。
ぶち切れた彼のまくしたてるセリフは必見。ここにも喪男が一人、ああーっああああーっ。
どうでもいいですが、この形式の選挙はいろいろと危険な香りがしますです。組織それぞれがマジメにやってればいいですが、利権がらみ(待遇ね)の癒着とかが起こった瞬間にマズいことになり兼ねないような気が…一応社会の前途段階である学校でこーゆーのは、ラノベ世界ならではですね。

…もっとどうでもいいことですが、亜砂くんはマッサージの名人と自称する部分があるのですが、そこの
力こぶは小さいくせに、指の握力だけは異常に強かったりする。
という一文を読んだとき、「亜砂くんに弐寺をやらせたら短期間で皆伝取れそうだな」とか思った俺はもう弐寺中毒。指鍛えろ指。

そうこうしているうちに、異世界ブリタニアの方でも危険な事態になってしまいます。
こちらはもう終盤の出来事ということで、是非一読を。
お、女はおっかねえ、女は信用できねえ…! そんな感想がまたも巻き起こること必至。

…ああ、公式でも(作者が)騒いでますイケメンライバルキャラのオメガですか?
はぁ、まあ悪役としては…うん。ええ。その…まあ。
彼については、また次回作以降でしょうか…。
ビジュアル的にイザークとか遺作とか言わないようにしてあげてくだs(ry

全体的には、本田氏特有の濃さは前面には出ないように抑えられたものの、各所に要素が散りばめられているような印象を受けました。どんどん上手くなってます。
氏もアスおとがウケなかった部分として反省していた面はあるようなので、ラノベを読む対象相手には比較的広く受け入れられると思います。ただ、その分特徴がはっきり出てるかどうかまでは…いかんせん俺自身がほとんどラノベを読んでないので比較のしようが無い(大汗)。未だに有名モノもロクに読んでない、弟よ今度シャナ貸してくれ。またツンデレか。
でもなあ、アスおと正直勿体無いよなあ…人物のネガティブな内面がかなり強烈に書かれていただけにシリーズとしての立ちは十分にしていましたし。読んでて確かに激しく同情してしまって辛くはあるんですが、それがまた良いと言うのに。そんな展開はウケが悪いというのは…読み手のレベルがんがっぐぐ。むう、本田氏ったらまるでこみパの彩です。才能はあるのに流行外れとは。


さて以前、自分はツンデレが苦手と書いた件について。
どうも俺は現実にフィードバックして想像しているために一部齟齬が生じてしまっているようで。
ツンデレの楽しみ方というものは、特に本田氏著作のものについては“無茶苦茶に振り回されることを楽しむ”という一点に尽きるかと思います。
実際リアルであんな滅茶苦茶や露骨なワガママを言う女の子はいません。いてもウザい。
なぜウザくなってしまうのかというと、それはリアルにあるいろいろな面倒な縛りの中での話だからです。ツンデレ喫茶が失敗した一因はこの辺にもあると思います。リアルだとへたれにしか振舞えない男側の弱気も後押ししてますけど。
萌えというのは、対象が二次元であることを前提にした感情ですからね。無用なことにまで回さなければいけない気遣いが不要な世界は、そんなムチャな存在が許されるわけです。世間体とかそんな糞面倒なものが無い二次元、嗚呼之素晴らしき哉。
ま、流行ってるからとなんでも三次元に逆輸入するのは難しいってことで。

ハァ〜ッ、全くツンデレの相手は疲れるぜ…!(コナン風)

ISBN:4086303477 文庫 本田 透 集英社 2007/03 ¥580

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