いつか来る連中とは思ってたけど、予想より早かったな。
 「どうやってるのかは知らねえが、坊ずがこんなことしてると困る人たちが居るんでねえ」
 「へえ。でもそれ、自業自得ってやつだと思いますけど」
 余裕で軽口を叩く俺。…相手をするにはさすがに数が多いかなあ。
 「…だからな、うん、分かってるだろう? こっちとしては何でも良いからやめてもらえればいいんだ」
 もちろんここではいそうですかとやめるわけが無い。目的のために手段は選ばない連中が相手だけど、その目的が隠蔽じゃあなあ。
 「それで仕事を辞めるということは、つまり私自身に今の仕事に対して裏切りを働けということに他なりませんねぇ。というわけで、帰れ」
 最後に一言命令形で怒りを吐き出して、乱暴にドアを閉めて鍵をかけてやった。
 …もちろん、その後は怒号とドアを叩く音の嵐…ああやかましい。
 どうせ人目の無い夜更け、騒ぎで目を覚ます人がいないうちに速攻で叩きのめしちゃっても別に心が痛むわけでなし、むしろやっちゃいたいぐらいなんだけど…
 そうしちゃうと今はまずい。ここの話題を広めてメディアに出るまでは、事務所移転もちょっと不利な材料になることを考えるとあんまり派手な事もやらないほうがよさそうだ。

 一度力のあるメディアに出れればあとはしめたもの、多少の移転は気にせずにお客さんがやってくる。いずれは俺の提示したことの真実味――当然百パーセント当たるわけだけど――に惹かれて芸能界や政治界の他人の裏を握りたがる奴等が来るから、そこからそっちの世界に入っていける。
 そして最終的には…
 考えていくと思わず口元に笑みが浮かんでしまう。
 だけどそれも、外からの騒音でかき消された。とりあえずこっちを何とかしなくちゃならないんだなあ…

 ま、こういうときはとりあえず国家権力に頼るのが一番か。
 「あまりうるさくすると警察に訴えますよ」
 ドア越しの一言にほんの一瞬だけ騒ぎが止まる。
 「騒乱罪、脅迫罪、場合によっては威力業務妨害で訴える事も出来そうですね」
 違う意味で俺も脅迫してる気がするけど気にしない。…多分、これじゃ止まらないと思うし。
 止まらなければ…懐のこいつの出番かも知れない。
 「…おい、一旦引き上げるぞ」
 と思いきや、意外にあっさりと止まってくれた。
 「また来るぞ、坊ず。そのときはいい返事で頼むぜ」
 どやどやと帰っていく連中。
 ………ふう。この場はなんとかしのげたか………
 さて、と。こういう事態を想定して常にテープに録音してるわけだけど、早速コピーしておくか……


前回から一ヶ月以上空いてるとは…

夕方まで爆睡。雨が降ったりやんだり…事実上一日中引きこもりでした。
なにやら地図機能とやらがあるようですが、重くていらないです…

本日の検索ワード。
:jalエンジン事故
管理に杜撰なところがあれば、いずれそれは露呈するものです。

:産廃法案
産業廃棄物に関する法案ではなく、救い様の無いクズ法案という意味で使ってる言葉です。
とりあえず人権擁護法案はとっとと廃案にしてください。

:イライジャ 鞭
なんかの映画のようで。

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