「ところで、長老さんはどこに?」
 彼からすれば、歓迎されているというのに顔を合わせないとはまた心外だ、といったところである。
 「只今別のお客人とともにあります」
 「僕を歓迎するって言ったのは」
 悪びれもしない男の口調に彼は少し鼻息を荒げ、首を傾げて言った。
 男は彼の言葉に少し困った顔をしてみせた。
 「そちらのお客人がよほどの上客だということでしょう。失礼ながら、長老と会見なさりたくばあと数日の滞在をお勧めしますが」
 数日。
 やはり、この村の何かしらは何らかの方法でその上客の正体を知り、そして恐らくは真実を知らせているのだろう。
 「…ま、基本的にここが目的地だったし、構やしないけど。その代わり何日かしたら必ず会わせてよ」
 「わかりました」
 一礼して男は去った。
 一人になり、さて、と彼はゆっくりと自分の情報の反芻を始めた。
 もっと速く思い返すこともできる。が、時間はたっぷりあるのだ。

 ここは砂漠の村落、エルカシア。
 アトランティスから生きて流れ着いた少数の子孫からなる百人足らずの集落。
 技術者が居た為に、そして材料の持ち込みが出来た為にかつての文化をわずか継承。
 多少の変質の可能性あり。要確認。
 技術の一、数万光年先との通信技術に変異有る可能性大。
 要確認。要確認……

 そこまで思い返したところ、外で人々の気配が何やら怪しい動きをしている。
 ろく音も立てず声も立てず、ただ村の中心にある建物に集まっているようだった。
 彼はそっとあてがわれた部屋を出て、その方向へとついていった。何故か、誰も止めるものはいなかった。
 向かった先には石造りの神殿とおぼしき大きな建造物。
 人々はその入り口の周りに扇形に並んでいた。
 「だんなさま! だんなさま!」
 入り口前にはその人波にすっかり気圧された、言葉からして“上客”の従者か何かだろう男が扉のグラウスを叩いて叫んでいる。
 整列した人々の間を抜けるのはたやすかった。男は彼に気付いて驚きの声を上げたが、他の村人と様子が違うと分かると恐る恐る状況を問うてきた。
 「こ、これは一体何事が起こってるのか」
 彼には、神殿の奥で何事かが起こっているのは理解できた。そして今、過去の記録がはるか遠い、この時代においては正しき理解とは程遠い宇宙の彼方より送られてきていることも感じられた。村人たちはそれに合わせて熱に浮かされたかのように集まり、“神託”を讃えているのだろう。
 だがそれを言ったところで、この「それなりな」格好をし、「それなりな」知識を身に付けている男には何のことだかさっぱり分からないだろう。
 だからと言って気休めの嘘を言うことは許されない。彼に出来ることは、知りうる状況を総動員して男が理解できるように伝えるだけだ。
 「…中で、あなたの主人が真実を教えられてるんだろうね。村人たちの集まりも、一種の宗教的行動パターンかも知れない。いずれにしろ、僕もまたあなたたちのような外来者なもんで、詳しくはちょっと」
 引っかからない程度に語尾を濁した。
 男は迂闊だった、と言うように顔を歪めて苦笑した。
 「いや、済まぬ。てっきり正気の村人がいたとばかり思ってしまって」
 「無理も無いよ。旅してて偶然同時に着くなんて滅多に無いことだもの」


なんだか久しぶりにニュートラルな気分で書けました。
比較的マシな文になったと思います。
でも他人様に勝てるようなレベルじゃない。それ以前に二次創作ですし。

晴れたっ! 弐寺っ! 行くぞっ!
暑ぢーっ!!
ゲセンにたどりつくまでにかなり体力を消耗してしまい、全力を出せませんでした。

三段曲をオリジナルコースに入れて挑戦。
…ギリギリ突破。ていうかBlocksで52%まで減少って減りすぎ。
こんなんじゃ段位検定じゃ突破無理やん。

今回はあまり感慨の沸くことは無かったです。
強いて言えば…
Northって道内平均がAA越えてること(もうちっとでした。惜しかった)、Vはまだまだ論外でしたけど前回より結構更新できたのでまあ嬉しかったってとこでしょうか。

本日の検索ワード。
今日から人気ワードで引っかかったものは非掲載とします。
:デュラン×リース
………うーむ………
そのうち聖剣3の短編書こうかな…デュラン×アンジェラで(何
リースは別の話で(ぉぃ

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