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 「…後はお前の知るところだ。そのまま俺は帰ったよ」
 軽くショックだったかも知れない。
 というより、脳髄を持たない相手に対する恐怖が改めて襲ってきた。
 俺のこの能力、脳波操作は勿論相手に脳髄あってのことだ。無い相手に対しては当然無力。
 一応一通りの体術は使えるしその辺の一般人よりかは肉体的にも強いんだけど、いる世界が違うような奴が相手になっちゃうともう駄目。
 リュークの話だけでは汚手川とやら本人の強さはよく分からなかったけど、それは彼が強すぎるということで。
 それでも必殺技を打たせるだけの相手だし、強くないわけがない。
 …これからもまた、こんな任務を言い渡されることもあるんだろうか。
 そう思ってふと顔を上げると、対面の席に座っていたリュークは俺の横に周っていた。
 「大丈夫だ。次回からはこんな事のないようにある程度任務を吟味してくれるだろ」
 ポンポンと頭を慰めるように叩く。
 「やめれって」
 「はははっ」
 似合わんから。
 …あ。リューク止まった。
 「ま…ともかく」
 そう言いつつ手を離し…
 びしっ。
 「これで話は終わりだな」
 「デコピンしながら終わらそうとするなよ」
 痛い…余計な事考えなければ良かった。

     ***

 密談室を出て転送室に向かう。
 ………“例外”であるから実害こそ無いものの、やはり心が少し痛んだ。
 実際、“盟約”があろうと無かろうと、言うべきことじゃないことは分かっているし、それが雄摩のためだ。
 そう、俺は雄摩に言わなかったことがあり、言ったことの中には嘘が混じっていた。
 その嘘というのもほんのごく一部。言わなかったことを取り繕う為のほんの少しの調整のようなもの。違和感も無かったはず。

 真実を何より重んじる俺たちにとって嘘は存在そのものの真逆理論。
 消滅こそしないものの、しばらくは力が完全に出ない状態になってしまう。
 そういったものから完全に解き放たれた“例外”、雄摩。
 彼に対してだけは俺たちも嘘をついても構わず、彼自身も偽を使う事ができた。
 それが何故であるのか…知っているのは俺と創始者、そして“オリジナル”。彼自身もそのことは知らない。
 …だが、これはまだ語るときではあるまい。
 俺の考えによれば、恐らく…いずれ必要性が出来る。
 その時まで、そして彼が自分で知るまで。まだもう少し、時間はあるだろう。


とりあえず、これにてこの一連の話は終了です〜。
同時進行している話でもリュークとライルは登場してますが、CW世界の時間軸的には全然別のタイミングに居ますので混同せぬようご注意を。

一応メンバーの設定なんかはあるんですが、いつ公開したものやら…
日記をほとんど読み返してないもので、どこまでバラしてるかも忘れているというダメっぷり。

…さあ弐寺と意気込んでた矢先に雨とか降るのやめて下さいマジで。
何せ結構置いてあるゲセンまで距離があるのでチャリが無いとつらいです。わざわざ遊びに行くのに交通費払ってバスに乗るのも馬鹿馬鹿しいですし。

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