哀愁を抱えて旅する男の話
2005年6月24日 日常 この大地を踏みしめて旅をして、もう何年になるのだろう。
いろいろな人とも会った。何度も死にそうな目にも遭った。
…ずっと、独りだった。
街の連中で俺に話し掛ける人はいなかった。
店の奴らは形通りの対応しかしない。何度も通ってる馴染みの店でさえ、俺にだけはいつまで経っても一見さんを相手にするような態度しかしてくれない。
俺が冒険者ということで、報酬稼ぎに何らかの依頼を受けた事もあったけど、同じところでは二度と受けさせてもらえなかった。前の仕事が完全に成功していてもだ。
本業はトレジャーハント。ギルドも整備されているので仲間を探しに行ったこともある。
確かに俺の名など広がっては居ない。だがそれなりに高額で取引されるようなものや、中には値段を付けられないような貴重品を発掘したことさえある。
そういったものを見せると、決まって「それと引き換えなら付いてってやってもいい」と言わんばかりの返事があるだけだった。
俺の何が悪いんだろうか。
いや、顔が悪いのは知っている。だが二目と見られないほどでも無いはずだ。
そんなことを疑問に思いながら旅をしていた矢先、初めて相手から声がかかった。
相手は堂々とハーレム状態でトレジャーハントをやっていたガキだった。
何でもレベルの高いダンジョンに潜るから、トラップなどに詳しそうな年季の入った奴に来てもらいたいとのこと。
以前どこかのギルドで俺が持っていた珍品の話を聞いたらしく、そんなものを持っているのならよほど詳しいんだろう、とガキは言った。
見せてやると大喜びで取り巻きの女どもに得意げに品物の解説を始めた。どうやら珍品に対する知識ぐらいはあるようだ。
出発は明朝、ということで俺にも一晩の宿を取ってくれた。装備品はいいものだがどれもこれもさほど使われた跡が無さそうと見ると、金持ちのガキが暇つぶしにやってるんじゃないか、そんな気がしてきた。
案の定夜遅くまで女どもとよろしくやってたらしく、便所に起きた時も奴の部屋から嬌声が上がっていたりした。当たり前のように俺のところには誰一人来ない。
ついでに女どもの手癖の悪さの教育もしてないようだ。ちょっとした仕掛けを作って俺の泊まっている部屋のドアを細工したら、とっとと女の一人が引っかかった。
問い詰めればふてぶてしい態度であいつなら何も言わない、と言ってさっさと出て行ってしまった。ただ金持ちなのではなく、甘ったれのクソガキだったらしい。無くなった物のことは女を疑うでもなく、親に依存してもらっているんだろう。
翌朝早くに俺たちは出発した。
取り巻きの女どもの何人かは同業者らしく、ダンジョンの中まで付いてきた。
だが俺を除くどいつもこいつもがその辺のチンピラでもかからないようなブービートラップをことごとく作動させてはギャーギャーうるさくわめき散らしていた。
俺の忠告も聞かずに軽率な行動を取り、引っかかってから俺に対してちゃんと教えてくれないから、と文句を付けてきた。お前らがちゃんと俺の話を聞かねえから、と言えば聞いてなかったとほざく。
…結局全員が素人ってことか。いや、それ以下だ。馬鹿馬鹿しい。
このダンジョンもレベルが低いどころではない。致死性のトラップがまるでほとんど見当たらない辺り、もしやこのガキのために親が道楽で作った物かも知れない。ろくに珍しいものも見当たらないしな。
最深部のお宝は仰々しく飾り立てられ、箱の中身は大したことは無かった。
ガキはそれに大喜びし、また女ども相手にだらだら解説した。
…疲れ果てた。
女どもの中にはそれなりに俺好みの外見をしたのもいたが、中身は他のと同じ莫迦だった。
そんなこともあった…つまらないことを思い出した。
今俺が、初めて出会った奴がいる。
後にこいつとの出会いを感謝せねばなるまい。
そんな話を読んで切なくなりました。
夜九時半ぐらいの、南の月が赤いです。
こんなに月が紅いから、今夜も涼しくなりそうね(by幻想郷のヒト)
一応もう金はあるんですが…
夜勤明けの頭では遊びに行くことは考えられませんでした。
そして明日は早朝勤→夜勤。インターバル短っ。
本日の検索ワード。
:歌詞画
よく分かりません。携帯関連で画像はあまり気にしないんですよ。
:変な生き物 深海
視覚効果が関係無いと姿はどんどん機能だけを目指してアレになるみたいです。
いざ白日の下にその姿を現させられた奴等の心理はいかなるものか。
いろいろな人とも会った。何度も死にそうな目にも遭った。
…ずっと、独りだった。
街の連中で俺に話し掛ける人はいなかった。
店の奴らは形通りの対応しかしない。何度も通ってる馴染みの店でさえ、俺にだけはいつまで経っても一見さんを相手にするような態度しかしてくれない。
俺が冒険者ということで、報酬稼ぎに何らかの依頼を受けた事もあったけど、同じところでは二度と受けさせてもらえなかった。前の仕事が完全に成功していてもだ。
本業はトレジャーハント。ギルドも整備されているので仲間を探しに行ったこともある。
確かに俺の名など広がっては居ない。だがそれなりに高額で取引されるようなものや、中には値段を付けられないような貴重品を発掘したことさえある。
そういったものを見せると、決まって「それと引き換えなら付いてってやってもいい」と言わんばかりの返事があるだけだった。
俺の何が悪いんだろうか。
いや、顔が悪いのは知っている。だが二目と見られないほどでも無いはずだ。
そんなことを疑問に思いながら旅をしていた矢先、初めて相手から声がかかった。
相手は堂々とハーレム状態でトレジャーハントをやっていたガキだった。
何でもレベルの高いダンジョンに潜るから、トラップなどに詳しそうな年季の入った奴に来てもらいたいとのこと。
以前どこかのギルドで俺が持っていた珍品の話を聞いたらしく、そんなものを持っているのならよほど詳しいんだろう、とガキは言った。
見せてやると大喜びで取り巻きの女どもに得意げに品物の解説を始めた。どうやら珍品に対する知識ぐらいはあるようだ。
出発は明朝、ということで俺にも一晩の宿を取ってくれた。装備品はいいものだがどれもこれもさほど使われた跡が無さそうと見ると、金持ちのガキが暇つぶしにやってるんじゃないか、そんな気がしてきた。
案の定夜遅くまで女どもとよろしくやってたらしく、便所に起きた時も奴の部屋から嬌声が上がっていたりした。当たり前のように俺のところには誰一人来ない。
ついでに女どもの手癖の悪さの教育もしてないようだ。ちょっとした仕掛けを作って俺の泊まっている部屋のドアを細工したら、とっとと女の一人が引っかかった。
問い詰めればふてぶてしい態度であいつなら何も言わない、と言ってさっさと出て行ってしまった。ただ金持ちなのではなく、甘ったれのクソガキだったらしい。無くなった物のことは女を疑うでもなく、親に依存してもらっているんだろう。
翌朝早くに俺たちは出発した。
取り巻きの女どもの何人かは同業者らしく、ダンジョンの中まで付いてきた。
だが俺を除くどいつもこいつもがその辺のチンピラでもかからないようなブービートラップをことごとく作動させてはギャーギャーうるさくわめき散らしていた。
俺の忠告も聞かずに軽率な行動を取り、引っかかってから俺に対してちゃんと教えてくれないから、と文句を付けてきた。お前らがちゃんと俺の話を聞かねえから、と言えば聞いてなかったとほざく。
…結局全員が素人ってことか。いや、それ以下だ。馬鹿馬鹿しい。
このダンジョンもレベルが低いどころではない。致死性のトラップがまるでほとんど見当たらない辺り、もしやこのガキのために親が道楽で作った物かも知れない。ろくに珍しいものも見当たらないしな。
最深部のお宝は仰々しく飾り立てられ、箱の中身は大したことは無かった。
ガキはそれに大喜びし、また女ども相手にだらだら解説した。
…疲れ果てた。
女どもの中にはそれなりに俺好みの外見をしたのもいたが、中身は他のと同じ莫迦だった。
そんなこともあった…つまらないことを思い出した。
今俺が、初めて出会った奴がいる。
後にこいつとの出会いを感謝せねばなるまい。
そんな話を読んで切なくなりました。
夜九時半ぐらいの、南の月が赤いです。
こんなに月が紅いから、今夜も涼しくなりそうね(by幻想郷のヒト)
一応もう金はあるんですが…
夜勤明けの頭では遊びに行くことは考えられませんでした。
そして明日は早朝勤→夜勤。インターバル短っ。
本日の検索ワード。
:歌詞画
よく分かりません。携帯関連で画像はあまり気にしないんですよ。
:変な生き物 深海
視覚効果が関係無いと姿はどんどん機能だけを目指してアレになるみたいです。
いざ白日の下にその姿を現させられた奴等の心理はいかなるものか。
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