「――三人。この中の三人もが、裏切り者というのか?」
 念を押すように訊く玲侍。
 「信じられないな…」
 「でも、現実よ」
 歩奈が冷静に言い放つ。
 「情報は確かだわ。今更それを疑ったところで何も進まない」
 「分かってるさ。だが現実に起こったとして、少し動揺したよ」
 この面々なら物事をはっきり断じてくれる。そう思っていた歩奈は少し落胆した。
 そんな歩奈を尻目にさらに一人の声。
 「あたしも玲侍と同感」
 千恵美だった。
 「みんなのこと信頼してただけにがっかりだよ。まさかって事態ね」
 「私もそうよ」
 「僕もだ」
 「まあまあ、全員そう思ってるってわけよ」
 全員で同意の大合唱が起こる前に、止める声。
 「誰もがあんたみたく冷静な視点だけでモノを見るわけじゃないんだから、その辺にしときな」
 仁。まとめ役の似合う、全員の兄貴分だ。
 「…悪かったわ。ちょっと強く言い過ぎたかしら」
 「それにしても現実、どうする? この中の三人、と言ってもどうやって見分けるんだ」
 前向きな意見を提示する和行。それに歩奈が返した。
 「夜明け時にこの中の一人を決めてどちらかが判別できる奴がいるらしいわよ。他にも殺された奴が判別できる奴、誰彼構わず護衛の出来る奴、高度な隠蔽を以って裏切り者に協力する奴。そいつらが一人ずついるわ」
 「まだある」
 吏衣那だ。
 「裏切ってないもの同士、お互いにひとりずつだけシロと確信し合えるのがいるそう。これだけ揃えば推理も可能…」
 「なんだかよくわからねえが、何とかなりそうじゃね?」
 圭太。
 「…そうね。始めようか」

 ――さて。勝ち残るのは裏切り者を掃討した正規派か。
 それとも既存を逸脱した裏切り者か。
 全ては、案一つに狭められていく――


はじめてしまいました。人狼BBS。
タイムスケジュールが厳しいですが頑張ります。

本日の検索ワード:混沌 絶望
…絶望ですか…いや、暗い言葉は壊とかで時々出ますけど。
ま、そういうネタも少なくないので出るもんですよ。

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