下りていく間に、既に視えていたその脳波。
 俺はその動きをさせないつもりだった。
 感じたのは抵抗する力。
 …間違いない、最後の敵は強敵だった。

 緊急時のためのいろいろな物を入れているポシェットから懐中電灯を取り出して点け、板張りの床に転がした。
 灯りが一室のみの地下室を照らす。その先に、以前廃屋で見た巨体の浮浪者が倒れていた。
 殺意は左から感じた。
 「もう演技はしなくていいのか?」
 皮肉を込めて言ってやった。
 「…お前が厄介な力を持ってるからさ」
 敵は福田清一の声で答える。
 この間にも俺は引き続き脳波操作をしていた。全ては先手必勝。
 そして『内部異分子の…
 …いない!?
 強制剥離によるダメージをなくす為に自分から肉体を離れたか。
 逃がせない。取り急ぎ俺は霊界へと位相転移する。

 霊の描く姿は本当に生っちょろいモヤシ青年だった。
 運動などまるっきりできなさそうなへなちょこな体付き。
 そんな奴に、俺は明らかに苦戦していた。
 …奴は霊体での戦い方を完全にマスターしているのだ。
 どこで知ったのやら、俺も知らないのだけど空中に魔方陣を描いてそこから魔力を具現化させるという黒魔術の如き攻撃をしてきた。今のところなんとかかわせているが、いつまでもつものだろうか。
 こちらの脳波操作による精神攻撃は確かに届いている…届いているが、どうにも効き目が悪くて手間取ってしまっている。精神抵抗力が高いと総じて効き目は下がってしまうのだが、とするとこいつは何らかの事情で生前は動けなかったのだろうか。
 こう激しく射撃を繰り返されると、接近攻撃をしようとしても容易には近づけない…どうしたものだろう。


鯖落ちの時間があったために更新時間遅くなり申した。

やりたいゲームのあるゲセンになかなか行けないのが辛くなってきました。
昨日行くべきして行ったのですが、週一で巡ってくるこの日にネットワークが死んでいて遊べないというタイミングの悪さ。
QMA2ができませんでした…あうぅ。

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