立ち上げろー

2005年1月6日日常

　ついにやってくる試験の日。
　「おはよー！　勉強したか？」
　「いやあ全然してねー」
　定番とも言える試験日の挨拶を尻目に幸雄は友人の秀俊に向かう。
　「おはよっす」
　「おはよう。キミは勉強したか？」
　かなり眠そうな様子の幸雄。秀俊は今回こそと思った。
　「いや、マジで全然…」
　「…そうか」
　所詮期待するような答えが幸雄から返ってくるわけは無い。判っていたことだが、今一つ期待が捨てきれない。
　「そう言うお前は…やってるよな勉強」
　「もちろんだ」
　悪びれもせず答える秀俊。
　「他の奴はまるで勉強してないってのにお前は凄いよな。
　　…なんだよその顔」
　あまりの幸雄の能天気さに秀俊は呆気にとられてしまった。
　「お前な…それ本気で言ってるのか？」
　「は？」
　全然理解してない様子。ため息が秀俊の口から漏れた。
　「どいつもこいつも俺みたいに完璧にはできてないだろうけど、間違いなくまるっきりやってないって奴はまずいない」
　「え」
　「思ったほど範囲を抑えることが出来なかったり、全体をやったとしても完全に覚え切れてないとか、せいぜいそんなものだ。本当に何もやってないのは万年最下位のお前ぐらいしかいない」
　幸雄の背景にピシャアン、と雷が落ちた。
　「じゃ、じゃああいつらの言ってることは…」
　「当人の絶対的価値観に基づくものであって、お前と比較してどうレベルと言っているわけではない」
　「ど…どーりで勝てないわけだ」
　がっくりとうな垂れる幸雄。
　「それにしてもよお…お前みたく完璧にできる奴はうらやましいぜ」
　「準備期間の予定を立てず、守れない奴には勝利は無い」
　「できるかよ…ちぇーっ」
　優等生タイプの秀俊とビリ常連の幸雄。
　こんな二人がどうして仲がいいのか誰も知らない本人たちも知りはしない。
　だがとりあえず、幸雄も勉強のこと以外は知識を広げて行くのだった。

サイトデザインで時間を使い果たします。しんどい。
絵素材がなかなか見つからないのは仕様でしょうか…ぐげ。