弾幕薄いぞ! 何やってんの!
2004年12月21日 ニ次創作・CW 氷の板…今度は氷か冷気、もしくは冬の精霊だな。
霧の日光遮蔽による気温低下程度で、湖面に氷が張るほど冷えているわけでもない。なら水を凍らせられるか、氷を作り出せる存在のはずだからな。
私は湖面近くまで高度を下げ、彼女に回復魔法をかける。今度は光系の回復魔法で良いため魔力変換に苦労しなかった。
「っ…あーっ! 逃げられちゃったこん畜生ーっ!」
やはり誰かに倒されて横たわっていたようだな。
「あの二人、今度会ったら絶対ただじゃおかないんだからっ!」
二人か。どこまで頑張っているか、気になる。
「大体あんたいきなり出てきて何!?」
「気付いてなかったんじゃないのか…」
「普通こんなに接近されてたら気付くわよ!」
普通はな…。本当に気付かないのもたまにいるのだ、これが…
敵意があればまずばれてしまうが、それに慣れてしまったため抑えて近付くと気付かれないこともある。
そして彼女は間違いなく普通じゃない。この幻想郷の住人に普通は無いような気がするくらいだからな。
「で、なんか用なの!? 寒いとか言ったら体の芯から冷やしてあげちゃうから!」
…思考回路が単純と思ったら見た目だけではなく中身まで子供だったか。
ところで、彼女が目を覚ましたあたりから周囲の気温が猛烈に下がっている。それなりに広い範囲で寒くなっているようなので、どうやら彼女は冬の精霊か。夏なのに迷惑且つ元気なものだ。
「怪我を治した相手にご挨拶だな」
「知らない相手に治されたって嬉しくない!」
それはそうかも知れないが。倒された怒りを私にぶつけるのもやめて欲しいんだが…
「…分かったからとりあえず気分を落ち着かせたほうがいいぞ」
「落ち着けるわけないの! 思い出したらむかついてきた!」
……子供だな、やはり……
「あんたを蝦夷地みたいに雪と氷に閉ざしてやれば落ち着けそうなの!」
やはりこうなるのか…
私は急ぎ飛び上がると下から彼女の放ったらしい雪弾が乱射されてきた。
数撃てば当たるものではない。私はまばらな弾道を見切って軽くかわす。
相手は雪の精霊、火炎系や熱系の魔法が有効だろう。私は一定空間係数内の熱エントロピーをプラス方向にシフトさせる魔力を溜め始めた。
その一方で、先程からの連射魔力弾を撃ち続ける。
「くっ…氷符『アイシクルフォール』!」
…?
「符を使うのか」
彼女の周囲を見ると特徴的な形に冷気の弾を展開させ、それぞれを私に向かって放ったようだ。
だが、この程度…弾速が遅すぎる上に間隔も広め。かわすのに苦労はしない。
…エネルギーもこんなものでいいだろう。あまり魔法レベルが高くならないな。
「ヒートキューブ!」
私の魔力を込めた小さな火炎球が彼女の四方にそれぞれ飛んでいく。
「どこ狙ってるの!」
「見てなさい」
彼女の四方で停止した弾がお互いに線を結ぶように熱線を放つ。
内側でもクロスするように赤い線が飛ぶ。中央にいた彼女は斜めに挟むように迫るそれを慌ててかわした。
一瞬自慢げに笑みを見せた彼女だが、次の瞬間その顔が驚愕と苦痛に包まれた。
遠目には何が起こっているか分からないが、先ほどの点と線で繋がれた空間は一気に気温が上昇している。
今回は控えめにセ氏百十度まで上がるようにした。ヒトでも条件さえ良ければ一時的なら耐え切れる程度の気温だが、雪の精霊には十分だろう。何せ水はこの気圧が低めな高山地帯では百度にならずして気化してしまうのだから。
「…………っ!!」
体をカッと焼かれ、まだ幼い表情が苦悶に歪むのを見るのはあまりいい眺めではないが、戦いとは非情だということを知るのもクスリになるだろう。
全身に火傷を負い、それでも彼女は高熱空間から脱出した。
「なんて、マネするの……あんたも絶対、許さないから…!」
「心配など必要無い。殺ろうと思えば今の空間に外壁を付けることも出来たんだぞ」
「げ…外道っ! 死んじゃえ、凍符『パーフェクトフリーズ』!!」
まだ抵抗するか。
今度は彼女自身の周囲に不規則にバラバラと高速の魔力弾を撃ち出している。
そこそこ速いが私には先程の冷気の弾と大して変わらない。これも問題無くササッと回避できた。
と、突然弾が停止した。ほう、なかなか面白いこともする。
ここで彼女は一気に雪弾を私に向かって一斉斉射。なるほど、止まった雪弾で身動きを取れなくした上で正面に大量の弾を撃ち込んで逃げられなくするという寸法だな。
だがまだまだ。停止した弾はやはり隙間が広すぎた。
そして…
「ファイアー・アロウ!」
私の手から矢の形に火弾が飛んでゆく。寸分違わず彼女に命中した。
「ぎゃあああぁぁっ!!」
再び彼女は湖面に墜落した。気の毒だがこれ以上邪魔されても面倒なだけなのだ。
ザシュウと波を上げ、ぷっかり浮き上がるともう下に氷の塊ができていた。
死なない程度にやったから大丈夫だとは思うが…
島が見えてきた。奥の奥で待ち受けているのは何者だろうか…
ノーコンティニューだとノーマル三面で終われます。
難しい…くう。
短編はチルノ嬢ですね。
今日のアクセス。
聖剣3関連ですね。人気が衰えないあたり名作だと思います。
霧の日光遮蔽による気温低下程度で、湖面に氷が張るほど冷えているわけでもない。なら水を凍らせられるか、氷を作り出せる存在のはずだからな。
私は湖面近くまで高度を下げ、彼女に回復魔法をかける。今度は光系の回復魔法で良いため魔力変換に苦労しなかった。
「っ…あーっ! 逃げられちゃったこん畜生ーっ!」
やはり誰かに倒されて横たわっていたようだな。
「あの二人、今度会ったら絶対ただじゃおかないんだからっ!」
二人か。どこまで頑張っているか、気になる。
「大体あんたいきなり出てきて何!?」
「気付いてなかったんじゃないのか…」
「普通こんなに接近されてたら気付くわよ!」
普通はな…。本当に気付かないのもたまにいるのだ、これが…
敵意があればまずばれてしまうが、それに慣れてしまったため抑えて近付くと気付かれないこともある。
そして彼女は間違いなく普通じゃない。この幻想郷の住人に普通は無いような気がするくらいだからな。
「で、なんか用なの!? 寒いとか言ったら体の芯から冷やしてあげちゃうから!」
…思考回路が単純と思ったら見た目だけではなく中身まで子供だったか。
ところで、彼女が目を覚ましたあたりから周囲の気温が猛烈に下がっている。それなりに広い範囲で寒くなっているようなので、どうやら彼女は冬の精霊か。夏なのに迷惑且つ元気なものだ。
「怪我を治した相手にご挨拶だな」
「知らない相手に治されたって嬉しくない!」
それはそうかも知れないが。倒された怒りを私にぶつけるのもやめて欲しいんだが…
「…分かったからとりあえず気分を落ち着かせたほうがいいぞ」
「落ち着けるわけないの! 思い出したらむかついてきた!」
……子供だな、やはり……
「あんたを蝦夷地みたいに雪と氷に閉ざしてやれば落ち着けそうなの!」
やはりこうなるのか…
私は急ぎ飛び上がると下から彼女の放ったらしい雪弾が乱射されてきた。
数撃てば当たるものではない。私はまばらな弾道を見切って軽くかわす。
相手は雪の精霊、火炎系や熱系の魔法が有効だろう。私は一定空間係数内の熱エントロピーをプラス方向にシフトさせる魔力を溜め始めた。
その一方で、先程からの連射魔力弾を撃ち続ける。
「くっ…氷符『アイシクルフォール』!」
…?
「符を使うのか」
彼女の周囲を見ると特徴的な形に冷気の弾を展開させ、それぞれを私に向かって放ったようだ。
だが、この程度…弾速が遅すぎる上に間隔も広め。かわすのに苦労はしない。
…エネルギーもこんなものでいいだろう。あまり魔法レベルが高くならないな。
「ヒートキューブ!」
私の魔力を込めた小さな火炎球が彼女の四方にそれぞれ飛んでいく。
「どこ狙ってるの!」
「見てなさい」
彼女の四方で停止した弾がお互いに線を結ぶように熱線を放つ。
内側でもクロスするように赤い線が飛ぶ。中央にいた彼女は斜めに挟むように迫るそれを慌ててかわした。
一瞬自慢げに笑みを見せた彼女だが、次の瞬間その顔が驚愕と苦痛に包まれた。
遠目には何が起こっているか分からないが、先ほどの点と線で繋がれた空間は一気に気温が上昇している。
今回は控えめにセ氏百十度まで上がるようにした。ヒトでも条件さえ良ければ一時的なら耐え切れる程度の気温だが、雪の精霊には十分だろう。何せ水はこの気圧が低めな高山地帯では百度にならずして気化してしまうのだから。
「…………っ!!」
体をカッと焼かれ、まだ幼い表情が苦悶に歪むのを見るのはあまりいい眺めではないが、戦いとは非情だということを知るのもクスリになるだろう。
全身に火傷を負い、それでも彼女は高熱空間から脱出した。
「なんて、マネするの……あんたも絶対、許さないから…!」
「心配など必要無い。殺ろうと思えば今の空間に外壁を付けることも出来たんだぞ」
「げ…外道っ! 死んじゃえ、凍符『パーフェクトフリーズ』!!」
まだ抵抗するか。
今度は彼女自身の周囲に不規則にバラバラと高速の魔力弾を撃ち出している。
そこそこ速いが私には先程の冷気の弾と大して変わらない。これも問題無くササッと回避できた。
と、突然弾が停止した。ほう、なかなか面白いこともする。
ここで彼女は一気に雪弾を私に向かって一斉斉射。なるほど、止まった雪弾で身動きを取れなくした上で正面に大量の弾を撃ち込んで逃げられなくするという寸法だな。
だがまだまだ。停止した弾はやはり隙間が広すぎた。
そして…
「ファイアー・アロウ!」
私の手から矢の形に火弾が飛んでゆく。寸分違わず彼女に命中した。
「ぎゃあああぁぁっ!!」
再び彼女は湖面に墜落した。気の毒だがこれ以上邪魔されても面倒なだけなのだ。
ザシュウと波を上げ、ぷっかり浮き上がるともう下に氷の塊ができていた。
死なない程度にやったから大丈夫だとは思うが…
島が見えてきた。奥の奥で待ち受けているのは何者だろうか…
ノーコンティニューだとノーマル三面で終われます。
難しい…くう。
短編はチルノ嬢ですね。
今日のアクセス。
聖剣3関連ですね。人気が衰えないあたり名作だと思います。
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