悪友といつも通り馬鹿話をして、掃除をさぼって帰ろうとしたら幼馴染の紗絵に見つかって連行され、仕方なく徹底的に掃除させられて一緒に帰ろうといういつもの時のことだ。
「またかよ…どこのどいつだ、クソッ」
自転車が前後のタイヤ両方ともパンクさせられていた。
昨日一昨日も修理しては乗ってきたら、放課後にはこれもんだ。
「今日もやられたの? 悪質ー」
どこのどいつだ、俺なんかにちょっかいかけて面白がるようなキチ○イは。
紗絵のことを俺の彼女と勘違いしたどっかのブサイク男が嫉妬してやってるとしたら迷惑この上ないぞ。始末に負えん。
…こういう覚えがある時点でもう立場的にまずい気がする。
「また押して帰るのか…ちっ」
「あんたの家なんてそんな遠くないでしょ、乗ってけないの?」
やり場の無い怒りに顔が歪んどる俺にこう言う紗絵。
こいつ、自転車パンクしたことねーな…
俺はスタンドを蹴り倒してハンドルから手を離し、ほれほれという感じで紗絵を誘導してみた。
「何、乗れってこと?」
「おう」
どんなかな、といった顔でハンドルを握って自転車に跨る紗絵。
ペダルを踏んだ所で、案の定顔が引き攣った。
「ちょ、何これめっちゃ重!」
常識だろうがよ…でもそう言えばなんで重くなるんだ? まあいいか。
「あー、初めてパンクしたのに乗ってみたけどこりゃダメだわ…また私まで歩いて帰るの付き合わされるのかあ」
ちょい待て。
「誰も無理して一緒に帰れなんて頼んだ覚え無いぞ」
こいつ自分からからんで来ながら俺が頼んだみたいに振舞うことあってヤなんだよなあ…
とか思ったが、言うといきなり機嫌損ねたように表情が変わった。
「なによ、だったら勝手にすればいいじゃない」
怒ったままさっさと自分の自転車に乗って行ってしまった。
「…? 何なんだよ、あいつ」
わけが分からん…
相変わらず紗絵は機嫌を損ねたままだが、次の日から帰りに自転車がパンクしていることは無くなった。
こりゃ多分俺の想像通りだろう。ムカつくのでボコにしてやりたいが、まだはっきりとしてない以上は無闇な行動を取らない方がいいだろうな。
その日の夜、紗絵が電話をかけてきた。
『あーその…ごめん、昨日の事私が悪かった』
「別にいいよ、気にしてねえし。てか、何であんなに怒ってたんだ?」
『そのことだけどさ…おまえもうちょっと人の気持ち考えるようにした方がいいと思うよ』
「は?」
『ごめん、何でもない。じゃ、また明日ね』
ここでいきなり通話切られた。
やっぱりよく分からんが、とりあえずよりは戻ったみたいだ。
さて…
次の日、俺は休み時間毎に容疑者の行動を見ながら自転車置き場を往復した。
昼休みも校舎の陰でメシだ。我ながら陰気が過ぎるぜ。
などと思っていたら、容疑者登場。
まっすぐ俺の自転車に向かい…
「何してんだよ」
当然止める。向かってたところで後ろから近付くくらい楽勝だ。投の容疑者はひっ、などと情け無い声を出してやがる。
ビビってるこいつの右腕を掴み上げる。手には一本のキリ。
「なんだこれぁよ」
手がブルブル。動揺がバレバレだ、馬鹿野郎。
「い、や、何でもないです」
しかも丁寧語かよ。
「なワケねえだろ! 何でもないならどうしてこんなもん持って俺のチャリに近付くんだ、ああ!?」
こいつの態度もムカついて思わず口調が馬鹿臭くなる。
しばらく黙りこくっているのでこっちから攻勢に出るか。
「おい、ちょっとお前のチャリんとこ行くぞ」
え、え、と口から漏らす小心者の腕を掴んだまま連行。
ちょっと離れた場所にこいつの自転車がある。高校生にもなって柄が派手なマウンテンバイクなんか乗ってきてるんじゃねえよ、おかげで目立って分かりやすいけど。
「ほら、チャリになんかすんだろ、やれよ」
またも容疑者はえ、え、と小さい声で震えやがる。こいつ自分がしてきたこと何だと思ってやがるんだ。
「何でもないならできるだろ、早くしろ!」
凄みを効かせて怒鳴ってやった。
そうしたら目が潤んできてやがる。いい年こいてこんなことで泣くんじゃねえ、鬱陶しい。
「ご、ごめんなさい、俺が悪かったです、うぅう」
で、やっぱりこれか。小心者が、謝るなら最初っからやるんじゃねえ。くそ迷惑だ。
…見てたらまたムカついてきた。この野郎自分が悪いくせしてひーひー泣きやがって、被害者意識満々じゃねえか。
「何が悪いんだ、ええ!?」
「ひっ、あっ、お前のチャリに、ひっ、穴開けてたの、俺でした、ひっ、ごめんなさいっ、ひっ」
あーウザってえ…相手するのヤになってきた。
ガシッと胸倉掴み上げるとまた小さい悲鳴を出しやがるし…
「てめえがやってたんだな。謝るんなら修理費ぐらい出せよ」
…これならカツアゲにならねえよな、多分。一対一だし。
(↑傍目には十分カツアゲです)
「い、いくらですか…ひっ」
しゃくりあげるなっつうの。聞いてるだけで腹立つ。
「三回、穴六つで計二千四百円だ」
あの自転車屋の親父、ちょっとボり過ぎだろうが…今はどうでもいい。
被告(もう容疑者じゃねえだろ)は焦ってポケットから財布を取り出す。
「おいそこの、何やってんだ!」
げ。先公ご登場。
そりゃあ、校舎からよく見える自転車置き場でやってりゃ誰かに見つかるよな。通報早いぞ、畜生。
「校内で堂々とカツアゲか、ちょっと来い!」
「ちょっと待ってくれ、俺は被害者だ!」
相手は一応まともで通ってる先公だ。担任だし、話せば分かるだろ。
「いきなり何言い出すんだ、どう見てもお前が…」
「俺の自転車パンクさせてた犯人こいつなんだよ!」
「何っ」
お、生真面目に報告しといて良かった…
結局のところ信じてもらえたという奇跡のような話。
…いい先生を持ったぜ…
毎回ながら、オチ弱すぎ…
どうにもヒロインの性格が似すぎちゃいますね。
短編、最近眠くて荒れがちでごめんなさい。
昨日自転車の前輪がパンクしてました。
修理したのに、今日未明見てみたらまたパンクしてます。
タイヤの内側のチェックを忘れていたので、そこに原因あるかもですね。
棘っぽいのが刺さってて、それを抜かないと駄目な事も多いです。
パンク修理に挑戦してみようかという方はこの辺に注意しましょう。
ちなみに修理作業は大きくて丈夫な作業用マイナスドライバー二本と、
ゴムのりとパッチと紙やすりがあればできます。
どれも雑貨屋で揃えられますので自転車のパンクに悩んでる方は是非どうぞ。
…手順はネットやってるなら、調べられると思います多分。
「またかよ…どこのどいつだ、クソッ」
自転車が前後のタイヤ両方ともパンクさせられていた。
昨日一昨日も修理しては乗ってきたら、放課後にはこれもんだ。
「今日もやられたの? 悪質ー」
どこのどいつだ、俺なんかにちょっかいかけて面白がるようなキチ○イは。
紗絵のことを俺の彼女と勘違いしたどっかのブサイク男が嫉妬してやってるとしたら迷惑この上ないぞ。始末に負えん。
…こういう覚えがある時点でもう立場的にまずい気がする。
「また押して帰るのか…ちっ」
「あんたの家なんてそんな遠くないでしょ、乗ってけないの?」
やり場の無い怒りに顔が歪んどる俺にこう言う紗絵。
こいつ、自転車パンクしたことねーな…
俺はスタンドを蹴り倒してハンドルから手を離し、ほれほれという感じで紗絵を誘導してみた。
「何、乗れってこと?」
「おう」
どんなかな、といった顔でハンドルを握って自転車に跨る紗絵。
ペダルを踏んだ所で、案の定顔が引き攣った。
「ちょ、何これめっちゃ重!」
常識だろうがよ…でもそう言えばなんで重くなるんだ? まあいいか。
「あー、初めてパンクしたのに乗ってみたけどこりゃダメだわ…また私まで歩いて帰るの付き合わされるのかあ」
ちょい待て。
「誰も無理して一緒に帰れなんて頼んだ覚え無いぞ」
こいつ自分からからんで来ながら俺が頼んだみたいに振舞うことあってヤなんだよなあ…
とか思ったが、言うといきなり機嫌損ねたように表情が変わった。
「なによ、だったら勝手にすればいいじゃない」
怒ったままさっさと自分の自転車に乗って行ってしまった。
「…? 何なんだよ、あいつ」
わけが分からん…
相変わらず紗絵は機嫌を損ねたままだが、次の日から帰りに自転車がパンクしていることは無くなった。
こりゃ多分俺の想像通りだろう。ムカつくのでボコにしてやりたいが、まだはっきりとしてない以上は無闇な行動を取らない方がいいだろうな。
その日の夜、紗絵が電話をかけてきた。
『あーその…ごめん、昨日の事私が悪かった』
「別にいいよ、気にしてねえし。てか、何であんなに怒ってたんだ?」
『そのことだけどさ…おまえもうちょっと人の気持ち考えるようにした方がいいと思うよ』
「は?」
『ごめん、何でもない。じゃ、また明日ね』
ここでいきなり通話切られた。
やっぱりよく分からんが、とりあえずよりは戻ったみたいだ。
さて…
次の日、俺は休み時間毎に容疑者の行動を見ながら自転車置き場を往復した。
昼休みも校舎の陰でメシだ。我ながら陰気が過ぎるぜ。
などと思っていたら、容疑者登場。
まっすぐ俺の自転車に向かい…
「何してんだよ」
当然止める。向かってたところで後ろから近付くくらい楽勝だ。投の容疑者はひっ、などと情け無い声を出してやがる。
ビビってるこいつの右腕を掴み上げる。手には一本のキリ。
「なんだこれぁよ」
手がブルブル。動揺がバレバレだ、馬鹿野郎。
「い、や、何でもないです」
しかも丁寧語かよ。
「なワケねえだろ! 何でもないならどうしてこんなもん持って俺のチャリに近付くんだ、ああ!?」
こいつの態度もムカついて思わず口調が馬鹿臭くなる。
しばらく黙りこくっているのでこっちから攻勢に出るか。
「おい、ちょっとお前のチャリんとこ行くぞ」
え、え、と口から漏らす小心者の腕を掴んだまま連行。
ちょっと離れた場所にこいつの自転車がある。高校生にもなって柄が派手なマウンテンバイクなんか乗ってきてるんじゃねえよ、おかげで目立って分かりやすいけど。
「ほら、チャリになんかすんだろ、やれよ」
またも容疑者はえ、え、と小さい声で震えやがる。こいつ自分がしてきたこと何だと思ってやがるんだ。
「何でもないならできるだろ、早くしろ!」
凄みを効かせて怒鳴ってやった。
そうしたら目が潤んできてやがる。いい年こいてこんなことで泣くんじゃねえ、鬱陶しい。
「ご、ごめんなさい、俺が悪かったです、うぅう」
で、やっぱりこれか。小心者が、謝るなら最初っからやるんじゃねえ。くそ迷惑だ。
…見てたらまたムカついてきた。この野郎自分が悪いくせしてひーひー泣きやがって、被害者意識満々じゃねえか。
「何が悪いんだ、ええ!?」
「ひっ、あっ、お前のチャリに、ひっ、穴開けてたの、俺でした、ひっ、ごめんなさいっ、ひっ」
あーウザってえ…相手するのヤになってきた。
ガシッと胸倉掴み上げるとまた小さい悲鳴を出しやがるし…
「てめえがやってたんだな。謝るんなら修理費ぐらい出せよ」
…これならカツアゲにならねえよな、多分。一対一だし。
(↑傍目には十分カツアゲです)
「い、いくらですか…ひっ」
しゃくりあげるなっつうの。聞いてるだけで腹立つ。
「三回、穴六つで計二千四百円だ」
あの自転車屋の親父、ちょっとボり過ぎだろうが…今はどうでもいい。
被告(もう容疑者じゃねえだろ)は焦ってポケットから財布を取り出す。
「おいそこの、何やってんだ!」
げ。先公ご登場。
そりゃあ、校舎からよく見える自転車置き場でやってりゃ誰かに見つかるよな。通報早いぞ、畜生。
「校内で堂々とカツアゲか、ちょっと来い!」
「ちょっと待ってくれ、俺は被害者だ!」
相手は一応まともで通ってる先公だ。担任だし、話せば分かるだろ。
「いきなり何言い出すんだ、どう見てもお前が…」
「俺の自転車パンクさせてた犯人こいつなんだよ!」
「何っ」
お、生真面目に報告しといて良かった…
結局のところ信じてもらえたという奇跡のような話。
…いい先生を持ったぜ…
毎回ながら、オチ弱すぎ…
どうにもヒロインの性格が似すぎちゃいますね。
短編、最近眠くて荒れがちでごめんなさい。
昨日自転車の前輪がパンクしてました。
修理したのに、今日未明見てみたらまたパンクしてます。
タイヤの内側のチェックを忘れていたので、そこに原因あるかもですね。
棘っぽいのが刺さってて、それを抜かないと駄目な事も多いです。
パンク修理に挑戦してみようかという方はこの辺に注意しましょう。
ちなみに修理作業は大きくて丈夫な作業用マイナスドライバー二本と、
ゴムのりとパッチと紙やすりがあればできます。
どれも雑貨屋で揃えられますので自転車のパンクに悩んでる方は是非どうぞ。
…手順はネットやってるなら、調べられると思います多分。
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