ヒュルルルル…
「宮田! 逃げろォー!!」
俺の必死の叫びも空しく――
ゴアァァァァッ!
爆発に戦友の四肢が散る。
「ボサッとするな君島! 俺たちも殺られるぞ!」
激しい目の前の死に刹那呆然としていたら、後ろから腕を強く引っ張られた。
「あっ…」
「『あっ』じゃねえ! 走れ!」
そうだ、言ってる場合じゃない!
仰いだ天に穿たれた黒点は毎瞬大きさを増していた。
全力疾走…!
ヒュルル…
再び落下音が空気を切り裂く!
「逃げ切…!」
ルルルル……
この感じだともう接地…
チュゴオォォォォン!!
「………!」
耳が聾になりかねん爆音に笹本の叫びがかき消された。
後ろからの爆風で体が吹き飛ばされる。
このままでは地面に叩き付けられてしまう!
「くそぉっ」
体を丸めれば……
ドザッ!
「ウグッ」
片腕が…折れてはいないがこの打撲ではしばらく役に立ちそうに無い。
ザガッ!
妙な音を立てて笹本が地面に転がった。
あの音は…やばい。
「っ……ぐゥ」
痛む腕を庇いつつ駆け寄る。
「笹本! なんとかして立て!」
だが覗き込んだ顔はすでに蒼白。
「しっかりしろ」
「足が……」
それっきり言葉が続かず、ただ苦しそうにうめく。両足が折れていた。
「…早くお前だけでも……逃げろ。俺は…もう動けん」
掠れた声。無理しているのがわかりやすすぎる。
「何の…つもりだ」
「見れば分かるだろ…負ぶってやる」
これ以上死なれても寝覚めが悪い。
「馬鹿野郎っ」
後ろから笹本の拳が俺の頬を打つ。だがもう、かつての勢いはどこにも無い。
「二人で…死ぬ気かっ」
………畜生。
「生きろ…俺たちのっ…分はついででいいからっ…」
両足以外にもやられたのか。呼吸すら絶え絶えだ。
前方の空からはまた戦闘機がやってくる。
「じゃあなっ…あの世とやらから見守って…やるっ」
ついででもいいから…かよ。
俺は…
「…………ッッ!」
何も言えなかった、言葉が出なかった。
ただ俺は、子供のように手を振って…駆け出した。
後ろからまた、爆音と爆風――――
バイトの帰りのことです…
自転車で走ってると目の前の道路にぱたたっ、と何かが降ってきました。
急いで落下物のところを避けるように動いて上を見ると…
電灯に止まったアホー鳥。
はい、うん○……危なかったです。心の底から。
鳥が鳥だけにかなりムカつきました。ちょっと嘘ですが。
「宮田! 逃げろォー!!」
俺の必死の叫びも空しく――
ゴアァァァァッ!
爆発に戦友の四肢が散る。
「ボサッとするな君島! 俺たちも殺られるぞ!」
激しい目の前の死に刹那呆然としていたら、後ろから腕を強く引っ張られた。
「あっ…」
「『あっ』じゃねえ! 走れ!」
そうだ、言ってる場合じゃない!
仰いだ天に穿たれた黒点は毎瞬大きさを増していた。
全力疾走…!
ヒュルル…
再び落下音が空気を切り裂く!
「逃げ切…!」
ルルルル……
この感じだともう接地…
チュゴオォォォォン!!
「………!」
耳が聾になりかねん爆音に笹本の叫びがかき消された。
後ろからの爆風で体が吹き飛ばされる。
このままでは地面に叩き付けられてしまう!
「くそぉっ」
体を丸めれば……
ドザッ!
「ウグッ」
片腕が…折れてはいないがこの打撲ではしばらく役に立ちそうに無い。
ザガッ!
妙な音を立てて笹本が地面に転がった。
あの音は…やばい。
「っ……ぐゥ」
痛む腕を庇いつつ駆け寄る。
「笹本! なんとかして立て!」
だが覗き込んだ顔はすでに蒼白。
「しっかりしろ」
「足が……」
それっきり言葉が続かず、ただ苦しそうにうめく。両足が折れていた。
「…早くお前だけでも……逃げろ。俺は…もう動けん」
掠れた声。無理しているのがわかりやすすぎる。
「何の…つもりだ」
「見れば分かるだろ…負ぶってやる」
これ以上死なれても寝覚めが悪い。
「馬鹿野郎っ」
後ろから笹本の拳が俺の頬を打つ。だがもう、かつての勢いはどこにも無い。
「二人で…死ぬ気かっ」
………畜生。
「生きろ…俺たちのっ…分はついででいいからっ…」
両足以外にもやられたのか。呼吸すら絶え絶えだ。
前方の空からはまた戦闘機がやってくる。
「じゃあなっ…あの世とやらから見守って…やるっ」
ついででもいいから…かよ。
俺は…
「…………ッッ!」
何も言えなかった、言葉が出なかった。
ただ俺は、子供のように手を振って…駆け出した。
後ろからまた、爆音と爆風――――
バイトの帰りのことです…
自転車で走ってると目の前の道路にぱたたっ、と何かが降ってきました。
急いで落下物のところを避けるように動いて上を見ると…
電灯に止まったアホー鳥。
はい、うん○……危なかったです。心の底から。
鳥が鳥だけにかなりムカつきました。ちょっと嘘ですが。
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