…! やりすぎた。
 間違いなく銃は破壊できたが…兵までやっちまった。
 かなり派手に爆発している。
 あれなら何とか死なずには済むかもしれないが…五体満足たあ行かないだろうかな。
 …聞こえてくる、他の兵の声が。
 ちょっとぐずぐずしてたらこれか…結構迅速にきやがるな。
 だがこれでいい。
 集まってこないうちにこっちから行ってやる。
 各個撃破、だな。

 「…!?」
 「!!」
 ひたすら速いスピード、それについていける判断、思考を全力で生かして連中の武器をもぎ取って行くしかない。
 わかりやすい銃だけでなく、服の下に隠してるような手榴弾もぶっ千切っていただき、無駄爆させる。
 こんぐらい徹底的に武器を使えなくしないと…わずかなものから何をするのか分からんのが人間ってやつだ。まして狂信とも言えるほどのこいつらなら、なおさらだ。
 建物に突入しても、まだまだ続く。
 誰もが何が起こったのかも理解できない…それだけ俺らは連中の常識を遥かに覆しているってわけだな。
 …と。

 武器庫…か。こんだけの火薬の量、火つけたら建物なんか全部吹っ飛んじまうな。
 あんまり使いたくなかったけど…まっ、しゃあないか。
 空間チェック、範囲指定…
 「転送」
 さっきまで山と積まれた部屋のものが、綺麗さっぱりなくなる。
 オレが空間転送をしたのだ。
 かつてまだ転送ポイントを使う前、オレたちが自身の力で次元跳躍していたときと同じ力を応用するとこんなこともできる。
 これであとは例の部屋だけだな。
 千里眼、これがあるだけで仕事が随分楽になるぜ…

 バン!
 堂々とその部屋のドアを開け放った。
 「そいつを帰してもらいに来たぞ」
 外の奴等をよほど信頼していたか、オレを見て異様に驚く三人。
 「なんだ貴様、怪しい奴…どうやってここまで入って来た」
 「実力行使だ」
 「丸腰が馬鹿言いやがれ! おい、抜け道なんかあったのか!?」
 普通そう思うよな…
 「出て行け! さもなくば貴様から殺すぞ!」
 ふっふっふ、怖い怖い。
 再び超スピード。連中の武器をたちまち奪い、腕力で圧搾してあっという間にスクラップの一丁上がり。
 さて。
 「てめえら今…こいつを殺そうとしてたな。それもこいつ本人に悪い点はねーってのに」
 「あ……ああ……い、いやそいつは日本人だ、アメリカに協力する黄色いサルなど」
 「結局社会思想的な理由で殺そうってんじゃねえか」
 勝手な連中め…

 思想の相違で他人を殺すなど、ふざけきったことだ。
 しかもこいつは単に恐怖感を煽るための殺しだろう。
 …てめえ自身がそんな目にあったらどう思う?
 こいつらにはそういう思考が全く欠けてやがる。


………何故眠い時間になる。

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