現代世界を観る混沌の一人、参戦(8)
2004年10月24日 一次創作・CW まだ人々の寝静まる早朝、先日の公園に向かう。
さしあたって必要な物を荷物にまとめた。結構な量になってしまったが、生活の場そのものを移すという事になるなら仕方なかった。
「答えは出たみたいだな」
既に流は待っていて、俺を見ると声をかけてきた。
「念のためもう一度確認しておくが、ある特定の時空間以外にお前の元いたこの時空間、お前がこの世界から出て行ったという事実のある此処の世界には二度と来ることは出来ない。それでもいいんだな?」
「全く問題ないね」
元々交友関係も無いに等しかった。だから割と準備もすぐ終わったんだ。
「なら行こう」
流は俺の手を取り、テレポートを開始。
一瞬後に例の廃ビルに着き、円筒、というよりワープカプセルに入るとこの前のターミナル。
そして再び通された謁見室。
そこで俺の居住空間は既に用意されているという話を聞いて少し驚いた。
四天王と同じように支部まで与えられるという。そこの一角に自室が用意されているとか。
その他にも支部には鍛錬用のジムやスペース、その他もろもろの施設が揃っているという。
連れて行ってもらい、あちこち紹介されて溜め息が出た。
「いつの間にこんな建物を作れるかなあ…」
思わず率直な疑問が口をついて出る。
「俺たちには実に様々な能力がある。魔力で建物を作るぐらい朝飯前だ」
「…便利なんだなあ」
流の言葉に感心するけど、すぐにまた新しい疑問が。
「ちょっと待ってっ…流たちって戦闘特化された能力しかないんじゃなかったんかい?」
創始者からそう聞かされてたんだけどなあ。
「ん? それは間違ってないが…ああ、創始者がそういう言い方したのか」
なるほどな、とうなずく流。
「戦いに行くというのは単に戦闘に参加するだけじゃない、ある程度長期の冒険という形になることもある。そういったあらゆる状況に対応できるよう、いろいろなことを覚えているわけだ」
冒険…う〜ん、運命修正の仕事も奥が深い……
自室になる部屋に荷物を置き、本部へ戻る。
「今まで幾つかのことを教えてきたが、以降その必要がなくなるようにしたい…学習装置に入ってもらいたい」
(……またSFチックな……)
心中ツッコミを無視して創始者は説明を続けた。
「君は生きている人間なので、大脳新皮質に新しい記憶をインストールするタイプの方に行ってもらうぞ」
再び流に連れられ、装置室へ。
「…ちょっと、待て」
行こうとしたら引き止められた。
「君の事を登録するのに必要だ。今まで訊く機会が無かったが…
君の固有名詞、名前を教えてくれ」
…そう言えば訊かれてなかった。でも思考読めるんじゃなかったけか。
まあ、いいや。
「汐街雄摩。シオに行構えのまち、英雄のゆう、摩天楼のま…
セキマチ、ユウマ」
……………
学習装置で俺はカオス・ウォーリーズに関する記憶を与えられる。
それからしばらくの間、創始者に言われた仕事に必要なことのエクササイズを受けた。
学習装置でそういったことを学ばされなかったのはこういう物事には感性が必要だからとか。
大体のエクササイズを済まし、俺は仕事をはじめることになった…
「…で、今の俺があるってわけだね」
「そんな感じだったかな」
珍しく四天王、それに俺が一同に会したときに昔の話になったのだ。
今では俺も流を正式名称であるリュークと呼んでいる。
…結構世界を廻ると、同じ名前の奴がいたりして妙な気分になる…リュークなんて、すごい顔した死神に同じ名前の奴がいたぞ。
「平和な奴なんだなあ、お前って」
と、ケルン。
「ケルンはひどい出自だったりしたわけ?」
「そりゃそうさ、なんたって星がなくなっちまったんだからな」
「げ」
いろんな思い出を持って俺は仕事を続けて行く。
出会った人々の数だけ人生を知り、困難を分かち合い、そして別れる。
人生の縮図であり、冒険。
そんな感じで俺は刺激があるような微妙な日々を乗り越えている。
――――汐街雄摩
8回連載と大分長くなってしまった主人公君“汐街雄摩”のルーツの物語もこれにて完結です。
作品自体大分好き勝手やっている話ですので書き方が変わりまくったりしてます(汗
次からは今度は五人衆か…まだまだ書く者は多いです。
さしあたって必要な物を荷物にまとめた。結構な量になってしまったが、生活の場そのものを移すという事になるなら仕方なかった。
「答えは出たみたいだな」
既に流は待っていて、俺を見ると声をかけてきた。
「念のためもう一度確認しておくが、ある特定の時空間以外にお前の元いたこの時空間、お前がこの世界から出て行ったという事実のある此処の世界には二度と来ることは出来ない。それでもいいんだな?」
「全く問題ないね」
元々交友関係も無いに等しかった。だから割と準備もすぐ終わったんだ。
「なら行こう」
流は俺の手を取り、テレポートを開始。
一瞬後に例の廃ビルに着き、円筒、というよりワープカプセルに入るとこの前のターミナル。
そして再び通された謁見室。
そこで俺の居住空間は既に用意されているという話を聞いて少し驚いた。
四天王と同じように支部まで与えられるという。そこの一角に自室が用意されているとか。
その他にも支部には鍛錬用のジムやスペース、その他もろもろの施設が揃っているという。
連れて行ってもらい、あちこち紹介されて溜め息が出た。
「いつの間にこんな建物を作れるかなあ…」
思わず率直な疑問が口をついて出る。
「俺たちには実に様々な能力がある。魔力で建物を作るぐらい朝飯前だ」
「…便利なんだなあ」
流の言葉に感心するけど、すぐにまた新しい疑問が。
「ちょっと待ってっ…流たちって戦闘特化された能力しかないんじゃなかったんかい?」
創始者からそう聞かされてたんだけどなあ。
「ん? それは間違ってないが…ああ、創始者がそういう言い方したのか」
なるほどな、とうなずく流。
「戦いに行くというのは単に戦闘に参加するだけじゃない、ある程度長期の冒険という形になることもある。そういったあらゆる状況に対応できるよう、いろいろなことを覚えているわけだ」
冒険…う〜ん、運命修正の仕事も奥が深い……
自室になる部屋に荷物を置き、本部へ戻る。
「今まで幾つかのことを教えてきたが、以降その必要がなくなるようにしたい…学習装置に入ってもらいたい」
(……またSFチックな……)
心中ツッコミを無視して創始者は説明を続けた。
「君は生きている人間なので、大脳新皮質に新しい記憶をインストールするタイプの方に行ってもらうぞ」
再び流に連れられ、装置室へ。
「…ちょっと、待て」
行こうとしたら引き止められた。
「君の事を登録するのに必要だ。今まで訊く機会が無かったが…
君の固有名詞、名前を教えてくれ」
…そう言えば訊かれてなかった。でも思考読めるんじゃなかったけか。
まあ、いいや。
「汐街雄摩。シオに行構えのまち、英雄のゆう、摩天楼のま…
セキマチ、ユウマ」
……………
学習装置で俺はカオス・ウォーリーズに関する記憶を与えられる。
それからしばらくの間、創始者に言われた仕事に必要なことのエクササイズを受けた。
学習装置でそういったことを学ばされなかったのはこういう物事には感性が必要だからとか。
大体のエクササイズを済まし、俺は仕事をはじめることになった…
「…で、今の俺があるってわけだね」
「そんな感じだったかな」
珍しく四天王、それに俺が一同に会したときに昔の話になったのだ。
今では俺も流を正式名称であるリュークと呼んでいる。
…結構世界を廻ると、同じ名前の奴がいたりして妙な気分になる…リュークなんて、すごい顔した死神に同じ名前の奴がいたぞ。
「平和な奴なんだなあ、お前って」
と、ケルン。
「ケルンはひどい出自だったりしたわけ?」
「そりゃそうさ、なんたって星がなくなっちまったんだからな」
「げ」
いろんな思い出を持って俺は仕事を続けて行く。
出会った人々の数だけ人生を知り、困難を分かち合い、そして別れる。
人生の縮図であり、冒険。
そんな感じで俺は刺激があるような微妙な日々を乗り越えている。
――――汐街雄摩
8回連載と大分長くなってしまった主人公君“汐街雄摩”のルーツの物語もこれにて完結です。
作品自体大分好き勝手やっている話ですので書き方が変わりまくったりしてます(汗
次からは今度は五人衆か…まだまだ書く者は多いです。
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