白たち。

2004年10月1日 MTG
 …スッ。
 闇が動いた。
 「…今田殿か」
 ゆっくりと、僧の姿をした狐が振り返る。
 重い鎧を身に着け、齢も生半なものではない老兵が音も無く現われていた。
 「さすがは八ツ尾半。気配だけで儂と見抜くとはな」
 ゆっくりと畳に腰を下ろす今田。やはり音が立たない。
 「わぬし、自分のことを“儂”と呼んでいたか?」
 「気にするな、所詮書き手とやらの妄想に過ぎん。
  儂とヌシがこうして会うなど正史では有り得んことだろうが」
 「それを言ったら御終い、というものか」
 「その通りだ」
 しばし、沈黙が降りる。ろうそくの火が僅か揺れ、ジジ、とごく小さく焦げ付く。
 「…今度の戦の件だが」
 ややあって、今田が先に切り出した。
 「我々ヒトと神との戦いというが」
 「一応、私らもヒト側ということになるのかね?
  現世にいるものと、霊的な存在の限りなき狭間にいるような気もするが」
 こことは違う次元、かつて起こった霊界戦争の記憶が八ツ尾半にも受け継がれているのだろうか。
 「そこまでは儂は知らぬ。だが“現代世界”でしみゅれいとされる戦いに於いてはそんな関係は無いも同然だろう」
 「確かに。だが、失われた世界の力にも似た団結力による神々の能力は侮れなかろう」
 スピリット関係で能力を発揮する物は非常に多い。
 「ふむ…うぃざーど次第、というわけだな」
 「それより私は異世界の金属どもとの戦いを憂いている。
  現在の我々で、あの全く持って意味不明な速さを持つあれとどう戦えば良いのか…」
 今田はこの問いに押し黙ってしまった。
 そう、あの“親和”などというたわけた能力のせいで何人がトーナメントを去ったか…
 「…まあ、よかろう。全ては戦ってからの話だ」
 今田は言って、立ち上がった。
 「行くのか?」
 「うむ。兵もいるのにあまり長く留守にしすぎるのもどうかとな…」


来ました神河物語。
…親和に勝てるデッキって新しくできるんでしょうかねぇ…(汗

コメント

お気に入り日記の更新

この日記について

日記内を検索