…目が覚めた。なんだかずっと眠っていたような?
 でもここはどこだろう。見たこと無い部屋…
 いや、部屋といってもねえ。どちらかというとなんかの実験施設っぽいなあ。
 てことは僕は人体実験されてたんだろうか?
 いや、人じゃなくて人の姿をした何かだろうけどさ。
 ……うーん、頭がこんがらがってるなあ。確かにそうなのに、何でこんなに違和感満々なんだろう…
 それに僕自身、あまり状況に反抗する気が起きない。ていうかここは割りと安心できる場所だって、“知っている”。見たこともないのに。
 とりあえずもう起きようか。うーんっ、と伸びを一つ。
 この空間には寝台以外には特に何も無いみたいだ。僕は一つだけあるドアを開けた。
 こちらの部屋は僕が今いた部屋を監視、制御するような機械室みたいだ。どうやら何らかの仕掛けで寝台のある部屋からは窓が壁に見えるようになっているっぽい。
 だけどここには用は無い。もうちょっと先に“僕が目指すところがある”。

 扉を開ける。
 その先は大きな窓から外の光が採られていて一瞬僕は目を押さえた。
 そして光を遮る二つの影。
 「…起きたか。気分はどうだ」
 髪が緑色の、どちらかと言えば背が高い方が背を向けたまま言う。
 もう一人はすぐに振り向いた。やや少年らしさを残した顔つきの茶髪。なんだか少し残念そうな表情をしていた。
 「分からないのに分かってることばかりさ」
 僕も、事も無げに返した。
 「…上出来だ。自分の名前は思い出せるか」
 緑色の方が振り向いた。なんだか澄ました無表情?
 「僕は…ディルアス。ディルアス・カインドネス」
 記憶にあった名前を言うと茶髪の方がさらに眉を驚きの形につりあげた。対して緑髪は小さく笑いを浮かべていた。
 「やはり僅かながら記憶は残っているみたいだな。どうだ、ケルン」 「何が『どうだ』だ。あんたに期待したオレが間違ってた」
 よくわからないけどぶーたれる茶髪。ケルン、っていうのか…なんかこれも聞いたことあるような名前だなあ。
 「ディルアス。俺はリューク・ランティルだ、こっちはケルン・ノーティ。わかっていると思うが、これからよろしく頼む」
 言って彼は右手を差し出した。これは握り返せってことなんだろうか……
 まあ、そうだろうな。僕は笑顔で握手をした。
 「よろしく、リューク、ケルン」

 これが、これからの永きに渡る戦いの日々の初めての僕の記憶なんだ。
               ――――ディルアス・カインドネス


カオスウォーリーズ3人目、ディルアス・カインドネスの話と相成りました。
ぶっちゃけた話、RPGみたいな設定があるわけですがw;
リューク・・・基本は剣士タイプだが武器・魔法共何でも扱える
ケルン・・・武闘派。魔法はあまり好まない
ディルアス・・・強い範囲とはあまり縁がなさそうな武器を扱う。
 主要武器はモーニングスターの形をした武器。どっちかと言えば魔法が得意。
本当にRPGに作るんですかね、俺(汗

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